希望の朝/三田九郎
 
やはり私に何か決定的なものが足りなかったからじゃないかと。

昔より、僕は自分に少しだけ、
希望を感じられるようになりました。
状況が好転すれば前向きになれる、
そういうことじゃないんだと。
変転する状況にいちいち飲み込まれることなく
静かに前向きでいられること、そのことが大切なんだと。

もちろん、気持ちはいつだって揺れています。
それでも、晴れた日の朝は本当に清々しい。
何が起きても、起きなくても、
陽射しを浴びて、背伸びをすると、力をもらえる。
太陽の光を、素直に浴びられるようになった気がします。
生きよう。そう思えます。
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