海月の夜/永乃ゆち
 


嘘を憎むのなら

誰かを傷つける罪を覚悟しなければいけない。

嘘を否定するのなら

真実を受け入れる強さを持たなくてはいけない。



あの晩彼女をありきたりな理由で傷付けて

深夜のファミレスに逃げ込んだ。



原色の海月たちが賑やかしいファミレスで

僕は初めて孤独を感じた。



彼女は透明な涙を流して

けれど決して僕を責めなかった。



彼女は僕にごめんねとありがとうを初めて教えてくれた人だった。

そして愛してるの意味と正義と罪を示してくれた人だった。



そんな彼女を傷付けて

僕は独り海月に雑ざ
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