待ち惚け/HAL
なぜきみはぼくに逢いにきてくれないんだ
これほどにきみと逢うことを望むぼくにだ
でもきみは遠い日にぼくに手を差し伸べた
ぼくはきみのその手を掴もうとしたときに
きみは邪険にぼくの手を振り払った
まるで急に心替わりしたかのように
ぼくはそれならとぼくから逢いに行った
でもきみは横顔を見せるだけで無視した
ぼくはもうきみと逢うために生きている
きみならそれはきっと分かるはずだろう
きみはぼくのそんな知り合いを多く視てきた
そしてそのなかでひとりだけに手を伸ばした
ぼくはまだきみと面会するに価しないのだろうか
分かるはずだぼくはもうきみと逢うためにずっと
暗く苦く重い心を抱きつつげながらも生きつづけてる
それは嘘でないことをきみは見抜ける力を持っている
一体いつまで待ち惚けをさせるつもりなんだ死神くん
それともまだぼくがやるべきことはあると言うことか
戻る 編 削 Point(4)