スケッチ/2012
星空の底で悶えるしか能がない私を
これ以上ないほど嘲るような感じで
煮えたぎる太陽が夜だ夜だとうるさい
山脈の向こうから見ている人は誰
山脈の途切れるあたりで自分自身と向き合っている人は誰
きいろいとけいの秒針が 精緻に時を刻む中
万象の誉れを宿した 命を燃やすしろいぞう
時節を告げる点鐘がまた聞こえる
耳を澄ませば
私の脈拍の中にも自分のものではない無数の声が溶けている
いつも苦しいわけじゃない いつも楽しいわけじゃない
ああ
私はまた あの鐘が何時の鐘なのか聞き逃してしまった
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