飛べよ 歌えよ/木の若芽
 
「飛べよ 歌えよ」
              木の若芽


妙なるもおのがおどっている
あれは小鳥 その奏でる調べ
 
遠く飛び去ってしまいそうなわたしに
ここは地球よ
あなたはそのひとつのいのちよ
木といっしょよ
花と咲くのよ
そう歌い教えてくれる
 
降っても晴れても
鳥たちは自由なことにかわりない
飛べよ 歌えよ
飛ぼう 歌おう
それが自由の証なのだ
鳥も人も
降っても晴れても

小鳥は美しい声を天から与えられた
それは天をほめたたえるため
木は美しい緑を天から与えられた
それも天をほめたたえるため
秋 万物が美しくなり美しく熟す
みんな天をほめたたえるため
わたしたちもそうでなければならないのよ

鳥たちは一日をむだにしない
きのうが雨だったら
今日はその分もはりきってさえずる
そんな朝

木たちも一瞬をむだにしない
天気と季節に
素直に反応して喜び生きる
そんな朝

わたしは一日を一瞬を
ときにむだにすごしてしまうけれど
それもしずかに受けとめて
鳥と木をながめたい
そんな朝

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