旅の果て/
木の若芽
少し緊張する
近づいてくる速さがましてきた
地球の秘密をしみこませた
冷たく美しい岩の裂け目に
わたしは吸いこまれていった
消えてしまえと思った
だが通り抜けてしまった
放心していると太陽があらわれた
わたしはすべての力を棄てて
岩に横たわり身をゆだねた
わたしは大地のものです
自然のものです
宇宙のものです
わたしはいつかわたしではなくなるでしょう
そのときは至福に満ちて
この地球の秘密のなかに吸いこまれ消えてゆこう
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