「サナギ」について、ひとことだけ…消費社会で生きている詩(批評祭参加作)/石川和広
 
家畜に名前がないように
あなたの名前を忘れてしまうの
思い出して泣いてしまうよりも
あなた自体を消してしまうの


これはスガシカオの曲「サナギ」の一節だ。僕は、こんなフレーズに詩を感じる。いとう氏が消費に身を晒す勇気という言葉を使って浜崎あゆみを評価したが、そこには詩をまだ違うジャンルと区別する思考が働いてる感じがする。スガも消費に晒されるが、彼の言葉は色々な人の視線に揺るがされない意味と感覚を持ち、買う側はそれを感じて買う。何を?自分の精神が壊れそうな時に感じる生き残った事の残酷さと悲しみを
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