、となりへ/佐藤真夏
 

横断し続けた川の端と端もちあげ上手に運ぶ 、となりへ


窓外に無数のつぶてが降る いつか海に沈んだ都市に住もうね


痛いかと自分に聞いてしまう夜 括弧のなかで息を整え


夕焼けは火薬の音と呼びかけとエンジン音の混ざる音階


内圧があがるわたしを脱衣させ調べ抜いたら焦げ付いた鈴


天井に時計の溶けた跡があり絆創膏を目に貼って寝る

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