音階/
三田九郎
路面
傘
ボンネット
木々の葉
草花
僕の手のひら
あらゆるところに降り注ぐ雨粒の一粒一粒が
耳を澄ませると
万別の音階で
声色で
思いで
色彩で
この地上に降りてくるのが見える
ときには傘など捨て
雨に打たれていたい
戻る
編
削
Point
(7)