仕事/ブライアン
椅子に座った乗客たちが眠りについている。
京都市役所駅から烏丸御池駅で乗り換え、四条で地下鉄を下りた。乗り継ぎの合間、時間は過ぎていった。立ちっぱなしの足の裏が痛みを感じ始めていた。足の指を内側に折り曲げ、足の裏をストレッチする。気休めかもしれない、それでも少しは楽になった気がする。そもそも、多くの事柄が気休めで解決するはずだ、と父親が言っていた気がする。気のせいかもしれない。父は何かを語ったことはない。ただ、いつも気休めに酒を飲んでいただけだ。
阪急電車に乗り換え、通勤特急で梅田へ向かう。途中いくつかの各駅停車の列車を抜いていく。梅田に近づくにつれ、各駅停車の乗客は減っていく。高槻駅
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