僕には君を愛する資格がない/文字綴り屋 ひじり
たったそれだけの言葉で私達は終わり
私は泣いたわ
とても悲しかったから
別れるとか終わりという事実が悲しかったんじゃない
だって別れなんて誰でも経験すること
今こうしている瞬間世界のどこかでも転がっている話だから
ただあなたの言葉がわたしにはよくわからなかったの
愛する資格なんて誰が必要としたのよ
どこかの偉い誰かがその資格を認めるというの
私にはわからない
私には理解できない
あれほどあなたの言葉は世界中の誰よりも美しいと思った私なのに
これっぽちもわからない
何度その言葉を繰り返し言ってみても
私にはまるで聞きなれない異国の言葉みたいで
意味も何もかも理解できないの
ただ振り返ることもなく立ち去っていくあなたが
その言葉そのものなんだと感じただけ
あれほどあなたの言葉は世界中の何よりも美しいと思った私なのに
私にはわからない
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