椅子/和田カマリ
 
他に方法がないので
私は
彼の不在を椅子にしました

その椅子は私好みの
破壊的な身体年齢に
座高を合わせていた

椅子はと言えば私の
目に見えないように
心臓を壊す椅子
崩壊する世界外部で
スピンし続ける椅子

私が愛したものが
順番に疲れている場合
椅子に固執した私の
悲しみのプロセスは
美しく、痛く
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