公転/鯉
回るマカロニの胡椒が経文になって
そこに並んだ
こどものあつめた花束を
しどろもどろに殺し続ける
ミイラへ
鍵穴に差したままのそれは捨てて
もう花を言わないで
黒い花の睦む森を越境する
こどもは
うすく光った葉巻型の船が
ちょうど宇宙人を手向けたのを見る
真新しい永遠の首筋から
白のにおいが喉をかすめた
横たわる、吸い込むと息は
チカチカして乳液がめぐる
横たわる、吸い込むと息は
チカチカして乳液がめぐる
横たわる、吸い込むと息は
爪、はまだ伸びている
黴が生えてしまったようで
身を縮めると隠れていく
単色に埋められた死者の周りで
錯視された海が長くふくらんでいる
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