境界の向こう/宮岡絵美
あの丘の上に登れば
何かが見えてくるような気がしている
ただ思考を記録するのだった
いつかくる明日の為に
ああ ああ 拍動
そして雲は流れていった
飛ぶように風
私の時は未だ定かでない
エピジェネティックなスティグマ
我々の影
消えない悲しみを持った人は
冬の星座のようだ
(いつまで考え続けるの?)
(もちろん、死ぬまで)
時を辿る風の眼
その向こうに何かが見えるまで
足元のシロツメクサの緑が風にそよぎ
わたしはそれを詩だと思う
それは或いは数学かもしれないのだが
どうやら理論値という言葉にも
詩はあるようだ
我々は限りなく違いを
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