境界の向こう/宮岡絵美
 
あの丘の上に登れば
何かが見えてくるような気がしている

ただ思考を記録するのだった
いつかくる明日の為に
ああ ああ 拍動

そして雲は流れていった
飛ぶように風

私の時は未だ定かでない
エピジェネティックなスティグマ
我々の影
消えない悲しみを持った人は
冬の星座のようだ

(いつまで考え続けるの?)
(もちろん、死ぬまで)

時を辿る風の眼
その向こうに何かが見えるまで
足元のシロツメクサの緑が風にそよぎ
わたしはそれを詩だと思う
それは或いは数学かもしれないのだが
どうやら理論値という言葉にも
詩はあるようだ

我々は限りなく違いを
[次のページ]
戻る   Point(6)