もう一度だけ/
芦沢 恵
心の晴れ間は錯覚だから
いつも本当はどんより曇った空より
淀んでいること
誰も知らないわけじゃない
知らないふり?
できるわけない
心の中なんだから
吐き出そうと、夢中になって
口に指なんか入れても
その途端にね 別の淀みが流れ込んで来るだけ
だから その 心の中の曇った淀みを
人生なんだって 知ったときに
それを 知ったときに
いいでしょ? もう一度だけ
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