朝帰り/
三田九郎
君に触れると溶け出してゆく
眠りに落ちると溶け出してゆく
自分と自分でないはずのものとが溶け合ってゆく
厳粛な孤独なんて本当はないのかもしれない
と 朝が来て 君と別れ
帰りの電車がホームに入る金切り声に
あいまいだった境界線が再起する
思い知る孤独
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