朝帰り/三田九郎
 
君に触れると溶け出してゆく

眠りに落ちると溶け出してゆく

自分と自分でないはずのものとが溶け合ってゆく

厳粛な孤独なんて本当はないのかもしれない

と 朝が来て 君と別れ

帰りの電車がホームに入る金切り声に

あいまいだった境界線が再起する

思い知る孤独
戻る   Point(2)