おはよう/
三田九郎
まどろみの向こうからわたしがやってきて
ことばではない言い方でわたしを呼んだ
いとおしく触れられ、そして擁かれる
霧に隠れた向こう岸で川の流れを見つめていた
わたしの手を取り、朝のほうへ連れてくる
気づかないうちに君にかけてもらった毛布のぬくもり
耳に溶け入る鳥たちのさえずり
がはっきりと認識され
早朝の秋の寒気が頬を撫でた
おはよう
おはよう
朝の訪れ
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