いくら待っても/徘徊メガネ
 
光の届かない場所で
大切なものを手放す準備をする

秋は

顔を見せないままゆきそうだ

あの枯れた手は
僕の届かないところで誰かを救っている

それが唯一
僕の悲しみを和らげてくれるから

光の届かない場所で
大切なものを手放す準備をする

秋は

顔を見せないままゆきそうだ
 

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