オッド・ダイアグラム 4/平井容子
 
ーーっていう耳鳴りの向こうのガイドが泣いているのに/舟はすすむ/こすれているのはこちらのほうだと思う/交互に親族は争う/穴の中に目がある/ためらうほど赤い/あれは何かとても甘い気配の話/あめがやんだらひとりぼっちのことならばいつまでだって知っていました/どうかこちらへ

墨のあと/化粧板のうえで踊った/確信のツインを諳んじて/愛称ごと押し上げるのは容易いからとすべてを沖へ流した/積もるような景色のあと/広告塔に遊びに行こうとして何度も転ぶ/色弱の鷹のように風を着て飛ぶのは償いに似ていた?胃がひっくりかえるような強さからどこへ行こうとして/どこへ帰ろうとして/どこへ満ちていこうとして/どこへ集ま
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