高校生一年生の朝/yamadahifumi
 
  

 俺は絶対に参与する方法をいつでも探していた。・・・それで見つけたのだ。宇宙の未明の入り口を。
 そこに入れば、かつての世界はもうガラス玉の中の小宇宙でしかなかった。・・俺は眺めた。かつて、俺をなじり、罵倒し、刺し殺そうとした人間がいかにも濁った視線で自動販売機の明かりを目当てに歩いていく姿を。そして俺の親が路頭に迷い、人々が意識せずとも自らの精神の迷路に入り込み、そこで朽ちていく姿を。そして、俺のかつて愛した人々が、無惨にも独裁者達の手によって、殺されていく姿を、俺はガラス玉の目玉で、しっかりと眺めた。
 ・・・と、そこにもう人はいなかった。残されていたのは、きれいな真鍮の玉だけ
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