空白の答/木の若芽
 
「空白の答」
               木の若芽

答のない問いの中から
美しいものを集めた博物館の
不思議なものを見るような目を
広いやわらかい空に向けよう

世界じゅうのひとつひとつのものを
ちゃんと見て
ちゃんと聞いて
ちゃんとさわって
にっこりする

知っているものが知らないものに見える
その夜 祈っても祈っても眠れない
そして雨の音
心をもう騒がせないで
見るものに 会う人に
また心を揺らさないで
夜が明けた 雨が上がった
空は美しいよ

何にでもそれぞれの美しさがあるなら
それを見出せる心をもちたい
そうすれば世界じゅうが安息の地になるのだもの

あせったら自己嫌悪になる
喜べば自分を豊かにできる
空白



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