下らないもの/HAL
 
虚無や空虚や無力や暗黒や絶望に
そんなひとたちのこころは支配されていく

下らないものこそが逃げ場所であることに
高尚と知性に溺れるものは微々とも気がつかない

下らないものを軽蔑することも侮蔑することも
自分を軽蔑し侮蔑していることに等しいとは想わない

下らないものを知ってこそ
秀でたものが分かることを

高尚なものも知的なものも
その土台は下らないものに

支えつづけられ生存していることを
知ることもないままにこの世を去る

下らないものにもその役割はあるのだ
例えばこの詩も下らないものであるように
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