乖離/summer/empty
 
               


コロナの中に滾る体液
君はきっとその中にいる


死角に穿たれる水路
敷き詰められた鳩の死骸


変容する五月の広場
全てから離れるように
全てから逃げるように
去っていく意味が/

わたしの心臓は
滾るように熱い光を
醸し出しているよう
それは曇天さえも救う

髪を掻き分ける優雅な指先
太陽が曇天を二つに掻き分けるように
死の匂いは熱い意味を持っている
それはひとつの希望だ
ひとつの快癒だ

水路から水路へ熱の循環が
変異していく
乖離していく
差異を生み出していく
そういった無数の意味の匂いが意味
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