ラヴァー、ラヴァー/
 
てしまう最終的な炎のきらめきで。
物憂げに、子供のいとけない手をも憚らせて、乳房に染まったゆるい液体をよろめかせて、くたびれた行為後の行為後の切り取り線をついばんでみる、鉄の味は、しない、球体関節の縁に隠れた悪魔が同じように卵塔のすきまで手招きをしているのにも目をくれず、竃の底まで連綿とした闇を、確かめるようにそいつは壁を触りながら進んでいった。
責め立てる漆喰壁の塗りたくった声、声、幻燈が回りながら叫び立てて叫び立てて数億年前の新聞紙をそれに貼り付けて、おれはようやく鞄を下ろして座り込むことができた、帳簿に書き込まれた名前たちが水に濡れたとたんに死に果てていくような、淡い感傷と触れる前の鼓動のひくつきを確かめさせて、おれはゆるりと緑を吸い込み始めた……。
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