ラヴァー、ラヴァー/
 
視界が視界が縮める午後のきらいな音楽の、リフレクトの信号が鳴り止まない鳴り止まない鳴り止んだ気もするかもしれない、鳥、鳩の声、何百万もの星が過ぎるように車がインクをぶら下げて裂罅を集めていておれは、喉仏を上下させている、アモス、近付いて近付いて誰かの落とした手袋を眺める夕べの荒涼、緑色の宦官が卵塔場を歩いていく。
誰だ、知らない、聞いたこともない歌のように、そいつは音をふやけさせて歩いていく歩いていく、蔦の絡まった桶のほとりで虫けらが群れて虜になっている、阿婆擦れと言ってやりたかった、声がかすれた、たばこを吸いすぎた、そいつはじくじくと太っているのだ、澄んだ青色青色のインク、血肉さえも溶かしてし
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