アウトライン?/empty
 


孕まれていく赤

ジオイドを積層させる

不可視の引力

何処までも





淵には空しかない

   
仮想の蒼穹

はてしなく青く澄んで あなたを包囲する



消失した重力のかわりに

市民プールの塩素が鼻梁に絡まったときのような

不快な清涼感が

強く

あなたを空中へと放置する

上昇する感覚さえ、ない

風を孕んだスカートは水母のように波打ち

「赤」を際限なく堕としていく





「なぜ?」がないから

仮想はどこまでも仮想で

記号はどこまでも記号で

それが

「美しさ」をつくるのかも、しれない

シニフィアンに浸潤されたシニフィエだけが

存在するに値する

ただひとつの通路





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