片恋短歌?/永乃ゆち
 
「あの人は優しいからね」友達が呟く言葉に泣きそうになる

優しさも厳しさもみんな好きだからずるさも弱さも責められないまま

あの空にあの星にあの夕焼けにいつもあなたが微笑んでいる

こんなにも焦がれる夜があってなお素知らぬ顔で朝は色付く

この恋を貫いて海の泡になる御伽話は恋のバイブル

たくさんの感情が渦巻いている愛恋嫉妬情熱感謝

独りでも寂しくはないこの夜に会いたい人がいるだけの事

何気なくあなたの肩に触れた手の熱を反芻している深夜

夕焼けがあなたの影を伸ばすけど私の胸には果てなく遠い

言葉より大事なものがある事を知っているのに欲しがっている
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