虹の詩/木の若芽
 
「虹の詩」
                 木の若芽

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虹の線路を敷いていく歌声が
高らかに私の口から響き渡っていく

旧型列車は私を扉の外のタラップにすわらせて
家並みをぬけ 木々をぬって
海と空へ突き抜けた
そこに敷かれていくのが虹の線路

二重の虹が
ときに絡み合い
ときにぶつかり合い
波打ち じぐざぐになり
自由に楽しそうに元気よく
列車の前を水先案内する
イルカの動きをするヘビのように

足下はるか下の海岸線が
複雑に切れ込み突き出して
丘になり谷になり崖になっている上を
緑の草木がおおい
人と動物がゆったりと散らばり

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