ふるさとを滅ぼされた難民、、、言葉の生まれる原風景へ(批評祭参加作)/石川和広
 
頭の中で、たくさんの想念やら妄念が不定形に流れ、いつものもやもやがはじまる。

他者の作品を、それらが、絡めとり、作品の体液を、吸い取ろうとする。
リトアニア生まれの、ある哲学者は、セックスを食べる行為の模倣だといったが、読むとき、ぼくは、ぼくのしつこいまでの食らいつき方に、疲れてしまうようになった。

昔は、こっそり、雑誌に載ってるものから、音楽、映画と様々なものに食らいついて、最近、現代詩手帳にまで原稿を送っていたものが古いダンボール箱に入っていた。ちょうど五年近く前、介護の仕事を始める前だった。大学を出て三年は、総計で一年も働いていない。履歴書には空欄だらけ。
やとってくれるはず
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