ゴミ箱の夢/結城 希
小学校の卒業アルバムには
「僕の夢」という題で書かれた作文があった
何も知らなかった頃に 間に合わせで書いた
他愛もない夢
日中のオンラインゲーム世界の中は
比較的 閑散としていた
いるのは学生やフリーターなど
暇を持て余している者たちなのだろう
先日リリースされたばかりの そのゲームを
レベルが上がらなくなるまでやりこんで
私はコントローラを捨てた
夜半
惰性で観に行ったクラブハウスのイベントを
途中で抜け出し 帰宅した
息が上がっていた
喉がカラカラに渇いていたが
構わなかった
私は部屋中の引き出しという引き出しをひっくり返し
押入れ
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