罪が歩き、存在が溶けるまで、/狩心
 
広大と続く草原に
人ひとり
他は見えない
高い標高なのか
霧がたくさん舞う

木の檻に閉じ込められた男
放たれ
背に入れ墨を施され
泥の上にて殺し合う奴隷たちを静かに
見物す

片方が消えたら
新しくひとり泥の上に導かれて
ふたりの敵を相手に平然と殺戮を成す
静かに
風が轟々と吹雪く標高の高い地にて

勝利を収めた者はまた
木の檻の中に入れられ
鎖で縛られ
独眼
で睨み付ける

日々の飼い主たちよ

男は夢を見る
赤い池に身を浸す自分の姿に
過去の数え切れぬ程
重ねられた惨殺の

ああ、
少年は私を見て学んでいた
いつか私と共に自由
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