真夜中の岸辺/
伊月りさ
ではとても足りないのだ、
あなたが何人傷つけば
この川は濁るのだろうか、
あなたを何人沈めたら
この川は溢れるのだろうか、
わたしの
あなたの
証明をさせてください、
わたしたちを泣き止ませてください
また
冬が来る
真夜中のような
岸辺に まるで
ひとりでいきているかのように
つめたく
跳ね続ける
裸足、
ねむり続ける
せせらぎ
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