aniversary/ブルーベリー
 
薔薇色の人生だと
傷を歌う君に
しょうもなさすぎて僕は笑った
すると君は真面目な顔で
歌える事が幸せなのだと
傷だらけの
灰色の顔を
誇るように
笑った
誰かと手をつなげること
君に歌を歌える事
それらすべて
自分のもので
こんなに素敵な人生はない!
君は手を広げて
僕の背中を押す
こっちだよって
指し示すように
僕だけの色と
高い体温をくれて
世界中に君を誇りたいのに
僕の手は大きくはない
馴染まない煙草と酒と汗の匂いを
厭い引き摺りながらも
この体温だけは
僕のものだと
抱かれていた
記憶の中

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