ためらい/三田九郎
 
人生の角度に違和感を覚える

最近、研ぎが足りないようだ

前進しようにも

ずぶ
  ずぶ

埋もれていく

ベクトルが下向いちゃってるんだ

進んでますけど下降してます

蛇行してます

沈んでます

落ちます

どんどん落ちてます

危ない、
   危ない、あ、

彼女の鋭利な眼光に射抜かれる

まあまた探すから大丈夫
          
心配、しなくていいから

しなくていいとかしていいとかそういうことじゃないじゃん、

心配、かけてごめんな

ごめんじゃないじゃんそういうことじゃ、

言いかけて飲み干す

僕も飲み干す

飲み干すから、また

飲み干す、

飲み干すから、

飲み、

苦味が痛い、

痛い、痛い・・・

その夜のベッドは

しんと冷え、

僕の惰性を冷凍した

そう、また

磨ぎ始めることにした

今日の

明日の

ためらい



冷たく、残酷に

切り裂いていけますように
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