彼方へのステップ/唐草フウ
 



ふくらみかけているのに
信じることからさけていた
体中に細い針がいくつもいくつも刺さって
抜いては星の砂の中へと仕舞った

他人も自分も
自分も他人も


打ち寄せて返すのは、太陽と月で
少女は光だけで生きられるとまだ思ってる
まぶしさで笑顔を無意識に作る
湿られた夜には涙をのみながら眠る


おそれない、で


毛糸に爪がくもの巣みたいにひっかかる
爪が最近欠けて治らない
ふくらみは途上だからおもしろい
夏の終わりには風が似合うことを胸が吸い込んだから


自分のこと
君のこと
ない交ぜになって
夏のようにかなしく弾く花火ではないけれど


まだおそれることをやめないために
信じてみる

















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