心の荼毘/和田カマリ
 
最後の月を雲に隠し
与えられた睡眠に
抗を尖らせている
早熟の妖精よ

あなたをきつく
抱擁したい私は
心の籠にいます

ああ
だから今夜だけは
君を抱いていたい
あしたの今頃は
僕は檻の中

もしも許されるなら
カバンに詰めた君を
トランクに押し込んで
タクシーで連れ去りたい

にぎやかだった街も
夜は声を静めて
何にはまっているのか 
何をハメテイルノカ

いつもいつの時でも
僕は忘れてしまう
愛に終わりがあって
心の荼毘が始まる




戻る   Point(1)