愛しいひとへ。/AquArium
 
そのくちびるが
どんな形で動いていくのか
最後まで見届ける勇気が、ない

今にも飛び出しそうな心臓
耳をすまさなくても聞こえる
生きている証

あたしの左肩は
心地良く鉛を背負う
いっそ温度さえ棄ててしまいたい

モスコミュールの
爽やかさも既に消えてしまう
炭酸よりも儚いゆめ

ー沈黙、
やめてね
現実がきちゃうじゃない

都合のいい世界で
永遠を信じてよ
せめて今はー

その指先が
示す未来にあたしは存在しているのか
遠くを見ることが、できない

絡めた手脚に伝わる
同じ体温くらいでしか
感じられない繋がり

静かに目を瞑り

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