愛して 愛されて 忍ぶ/黒ヱ
水面近くに 杜若抱いて その言葉を願った
螺旋を描きつつ 影を濃くする 増してゆく
湿気孕んで泣こうとする曇天は 蒸らす
遠くの雲に 雷 一つ
その鳴りの響きに 何を想うのだろう
ふわりと 本当に緩やかに舞い 落ちた
「別れが来る その先で 更に再会がやって来る」
それは そのままで 変わらずありながら
「それでも・・・ それだから・・・」
最後に 愛した人が 愛してくれた人が 言った
この悠久にも一寸にも思える 時間には
終えたくないと思える程の 価値があるのだと
笑い 涙を流す中で 教えてくれた
「それでも 泣いてはいけない それでも」
「だから 人を愛すること 愛されることを やめてはいけない」
「いつでも あなたを 守ってくれるから」
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