深紅の風/マーブル
す
わたくしたちは
一日一日少しずつ年をとってゆきます
何故?と聞いてみても
みな口々に運命という
言葉を揃えます
今見上げている森の木も
星ぼしも地球も
年をとるのでした
命を授かった者たちは
みな年をとるのだと
わたくしはいつ覚えたか
忘れてしまいましたが
今を見上げている
わたくしの目の前は
季節と年月が残していった
風景それこそが
わたくしをいっそう
海色にさせてくれます
あの深紅の風には
まだあどけない声がしてきます
あたたかい土の温もりと
匂いを纏って
今日もつよくやさしく
空を駆け巡るのでした
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