上弦の月/ちゃむ
 
嗚呼
今宵もまた上弦の月

この月を見ると
あなたを思い出す
いえ
常にあなたを思っています
今も

隣りにあなたがいるという
この日、七月七日

それだというのに
どこかうわの空で
月を眺めている

年に一度
積もり積もった想いをよそに
無口な夜

月がいやらしく紅色に染まり
覗いている

嗚呼
今宵もまた上弦の月

毎年同じ景色ばかり見ている

あるいは
見られているのかもしれない

そう思うと
何だか少しイライラして

今宵の私は
少し淫らに・・・自分に素直に

私から、そう

あなたの上に跨って腰を・・・

こんな気分にさせたのは
月の所為かしら

と思ったけど
月はとっくに沈んでいて

「もう、どうでもいいや」
そんなゆるい吐息交じりの微笑みの

夢中になって
あなたの上に跨って腰を振る
         腰を振る



2012年8月24日(旧暦7月7日)
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