焦燥プール/в+в
あらかじめ仕組まれていた
夏の日の終わり
目の前の景色が
ゆっくりと麻痺していくのさえも
そんなの当たり前とばかりに
君は背伸びをして見せた
土曜日の午後の
彼女の笑顔や
封鎖されたあの体育倉庫にも
まだ熱は宿るのかな
不覚 吸いこんで
遺棄を止め
また 破棄だしてから
焦燥プールに飛び込めば
水飛沫を上げて
波紋は大きく拡がる
二人で飛び込んだなら
きっとどこまでも溢れ出すよ
愚鈍な手をすり抜けて
金網の向こう側へさえも
空が余りにも広いって
今更ながらに気がついた
太陽がその途端に
とても淋しく見えてきた
風がぐるんぐるん と
景色を大きく揺らして
瞬きをするのさえとまどう
君と僕の名前が
太陽の熱で上書きされていく
思わずため息をついたら
君が 少し笑った
プールに肩まで浸ったまま
僕らは何もしゃべらずに
ただ 見つめあったね
僕はその時
このままエンドロールが
流れてきてもいい なんて
本当に思っていたんだ
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