ビッグバン/結城 希
僕らは ひとりじゃいられないから
引かれ合って
手を取り合って 近づいて
抱きしめ合って 求めて
もっともっと
互いの境界線さえ越えて
ひとつになって
融け合って
ぐちゃぐちゃになっていく
そしたら
体の芯から
爪の先まで
火照って 熱くなって
なんだか頭がぼぅっとしてきて
もっともっと集まって
もっともっとぐちゃぐちゃになっていく
けど、もう何も考えられなくって
――でも、それでよかった
――君が傍にいたから
僕らは
わけもわからず
もっともっと集まって
もっともっとぐちゃぐちゃになっていった
そしたら
あるとき
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