火傷/HAL
『われなんじの行為(おこない)を知る、なんじは冷(ひややか)にもあらず、
熱きにもあらず、われはむしろなんじが冷(ひややか)かならんか、
熱からんかを願う。』《黙示録》
流れる自分の汗があまりに熱すぎる
すれ違い様に腕が触れた中年の男は
呻き声を挙げ腕を押さえかがみ込む
近くのだれかが寄ってきて
凄い火傷だ救急車だと叫ぶ
ぼくには関係ないことだと
ただすれ違った彼奴が悪い
表情も変えずに行きたい方へ
腕時計を確かめ歩みを速める
顔は熱でもう真っ赤なはずだ
そうぼくは沸騰している
血液
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