Four-Leaf/黒ヱ
「見えているかい 聞こえているかい」
「月が 満ち 欠けてゆく」
「駆け足で 本当に 駆け足で」
「君は それは不幸であるとしている」
「だが それらは僕らが望んでのことである」
「今はもう どちらも無いのだ」
「君が 見えない所で汚れていってしまう」
「それは仕方のないことである」
「そう見えるのは 僕からだけなのだから」
「そうなってしまうのも 僕がしたようなものだから」
「だから それらは仕方のないことである」
「いつか」
「予想もしない いつか」
「それは 唐突に起こるのである」
「僕も知らない 何処かで」
「君は きっと 負い目を感じながらであろうか
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