毒薬/寒雪
の人生でも
何度かありました
その度ぼくは時には自分の涙を
殺してまでも耐えてきました
ただ
この先にそれに耐えられるかどうか
それはもう自分にもわかりません
杯の中身が気のせいか
いつもいつも液体で一杯になることも
多くなったような気がしています
杯を倒してみるといい
そう頭の中で囁いてはほくそ笑む
白い顔をした金髪の少年
背中がむず痒くなる誘惑に
面白いかもしれないと
つい手を差し伸べてしまいそうな
自分にそら恐ろしい感情すら抱いてしまいます
杯の中身が
ぼくの心を染めて
心の奥底まで浸してしまった時
ぼくは今までの自分がどう変わっていくのか
怖い反面興味もある
そんなぼくの気持ちを
杯は敏感に察知して
今日も右に左に揺れているのでした
戻る 編 削 Point(0)