毒薬/寒雪
 
空は敷き詰められた羽毛を真似て
苦々しく地上を見下ろしています


その下でちっぽけなぼくの
小高いなだらかな心の上に
杯が一杯微妙なバランスで置かれています
溢れんばかりの注がれた
セピア色に染まった液体が
自らの表面を右往左往
忙しく動いているのが見えます


液体はいつもいつも零れそうに
なるわけではなくて
なんにも入ってなかったりすることも
半分くらいで収まっていたりすることも
でも今はもうちょっと誰かに
心の背中を押されるだけで
中の液体が流れ出してしまいそうです


危険な状態で
もう少しで杯を転がしてしまいそうに
そんなことが今までの人
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