8号館 〜遠ざかれない日々によせて〜/Rin.
かの海をかためて壊すためにある製氷機にはレモンの輪切り
飾るほどでもないけれど捨てられぬペリエの瓶にやどる初夏
きみがノートに羅列している心理学用語のような雨のきらきら
座席には等間隔の隙間 みな 夏を 拒んで いる の で しょう か
戦争のことを習った日をおもい影おくりする低い屋上
あじさいに触れながら行く待ち合わせなき図書館へ芝生ぬれいる
降りてきたことばたちだけくちずさむ夕焼けを吸うらせん階段で
生野菜 消費期限 とgoogleに打てはあしたは台風らしい
風ほそくあつめて鋭くあれ メロンソーダ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(13)