むなしい/
黒髪
何が自分に起きたのかつかめずにいる
空虚な時間が過ぎた
それをむなしいと思いたいがまだ変化が必要だ
こだわりすがりつくことしかできないから
川の流れのように過ぎていったのだと思いたい
そしてその先は
海の深さを知る深海魚のように暗闇を照らす人でありたい
むなしいだけではない時間は
エラ呼吸で生きるかのように酸素を含んでいる
昆布のゆらめきに自分は海で生きたいと思った
昔々の記憶がそう叫ぶ
生きることをやめないから
僕は泡を一つぶ吐き出した
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