八月十八日(省察)/綾野蒼希
 
汀を歩くその寄る辺を
腕(かいな)に抱きよせると
泡沫
あるいは海が こぼれだす

この束縛を難なくとびこえる
あなたの幼さが信じられない

裸足の裏側で反発をくらうだろうか
十年後そして百年後に

熟考を重ね
かすかに見えていた
はずだった

かつて二人を形成した
なつかしいにおい

遊覧船に 灯台に 幸福圏に
投擲して

ありったけの愛をときほぐしつつ

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