モノモノのこわばり/津久井駒彦
瞬間、と二文字書くその間にも、瞬間瞬間に息をつまらせています
身に迫るモノモノのこわばりがモノモノしくて
短く呼吸することさえためらわれます
彼らは語っているのでしょうか? 僕には分かりません
ただヒシヒシとひたすらに注がれる存在の濃度に
眩暈がします
しかし否定ではありません
僕に向けて開かれたモノモノのやわらかい胸は
こわばりながらも寛容にうち震えています
モノモノの 彼らの心音が聞こえます
いずれにしろ、僕は息を吸うことを我慢できずに
全ては振り出しからやり直しですが
息を継ぎ継ぎするその間隙に やはり
モノモノの心音を聞きます
悠久、と二文字書くその間にも、悠久悠久に目を細めています
身に迫るモノモノのこわばりのモノモノしさの間から
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